最近、突然LINEで「久しぶり!」や「ちょっと話したいことがあるんだけど」といったメッセージを受け取ったことはありませんか?
その裏に、ネットワークビジネス(いわゆるMLM)が潜んでいる可能性があります。
近年、SNSよりも気軽に接触できるLINEを使った勧誘が急増しており、若者から主婦まで幅広い世代がターゲットにされています。
しかし、ネットワークビジネスの誘いは非常に巧妙で、パッと見ただけでは「ただの雑談」と思ってしまう人も多いのが現状です。
この記事では、LINEを使ったネットワークビジネス勧誘の特徴や、実際によく使われる「決まり文句3選」を紹介。
さらに、そうした誘いにどう対応すべきか、断り方や注意点も具体的に解説します。
「なんか怪しいけど、はっきり断れない…」そんなモヤモヤを抱えた方に、この記事が判断材料となれば幸いです。
LINEでのネットワークビジネス勧誘が増えている3つの理由
ネットワークビジネスの勧誘といえば、かつては直接会って話すのが主流でした。
しかし最近では、より手軽で心理的ハードルの低い「LINE」を使った勧誘が急増しています。
なぜ、これほどまでにLINEが使われるようになったのでしょうか?
その背景には、LINEならではの特徴や、勧誘にとって都合の良い要素がいくつも存在しています。
理由①:距離の近さと手軽さが勧誘に最適
ネットワークビジネスの勧誘でLINEが選ばれる最大の理由は、「心理的な壁の低さ」です。
電話や対面だと相手も構えますが、LINEは日常的に使っているため、自然な会話の流れで勧誘を始められるのがポイント。
たとえば、「最近何してるの?」という一見普通のメッセージから始まり、「面白いビジネスの話があるんだけど」と徐々に核心に迫ってくるパターンが多く見られます。
こうしたアプローチは、相手に違和感を与えず、話を聞かせることが目的です。
つまり、LINEの「近すぎる関係性」を逆手に取った戦略と言えるでしょう。
理由②:LINEグループで囲い込みを図る手法も
一対一のやり取りだけでなく、「LINEグループ」に招待されるパターンもあります。
最初は「夢を叶える会」や「前向きになれる人たちの集まり」など、ポジティブなネーミングで安心感を演出。
そこでは、「この前のセミナーで月収30万円いった!」といった成功体験が次々と投稿され、参加者に「私もできるかも」と思わせる心理効果が働きます。
このようなグループチャットは、疑問を感じにくくさせる空間であり、同調圧力を高める装置とも言えます。
そのため、最初は話半分で入ったつもりでも、気づいたら断りにくい雰囲気になっていることが少なくありません。
理由③:ブロックしにくい「知人」からの連絡が主流
SNSとは違い、LINEは「友人」「知人」などある程度関係性のある相手からの連絡が多いのが特徴です。
つまり、ネットワークビジネスの勧誘も、過去に少しでも交流のあった人物から行われることが多いのです。
そのため、完全に無視したりブロックしたりすることに罪悪感を覚えてしまい、つい返信してしまう人もいます。
「高校の同級生だったから」「前に一度だけ話したことがあるから」という心理が働きやすいのです。
このような人間関係の隙間を突いてくる点も、LINE勧誘の大きな特徴であり、断る難しさを増しています。
実際に使われるネットワークビジネスのLINE決まり文句3選
ネットワークビジネスのLINE勧誘は、日常的な会話の延長のように始まるため、初期段階ではなかなか気づきにくいのが特徴です。
特に多くの勧誘者が使う決まり文句には、巧妙に相手の警戒心を和らげる仕掛けが隠されています。
ここでは、実際に多くのケースで使われている代表的なLINEの誘い文句を3つ厳選し、それぞれの特徴と注意点を解説します。
決まり文句①:「久しぶり!最近どうしてる?」から始まる近況トーク
最も多いのが、「久しぶり!元気にしてた?」という何気ない一言から始まるLINEです。
これは、ネットワークビジネスの勧誘における最初の一歩として定番のアプローチとされています。
この時点ではビジネスの話は一切出さず、あくまで旧友との近況報告のようなやり取りが続きます。
「最近仕事どう?」や「時間に余裕ある?」といった質問を重ね、相手の現状や悩みを引き出すのが目的です。
そして会話が盛り上がったころに、「実は最近すごく面白いこと始めててさ…」と、ビジネスの話に自然にシフトしていく流れが多く見られます。
この段階で警戒を緩めてしまう人が非常に多いため、最初のトークで油断しないことが大切です。
決まり文句②:「ちょっと紹介したい人がいるんだけど、会ってみない?」
ネットワークビジネスの勧誘では、「紹介したい人」「尊敬している先輩」「話すだけで考え方が変わる人」など、第三者を登場させて会わせようとするメッセージがよくあります。
この誘い文句の狙いは、自分ではなく他人を立てることで、勧誘の意図を感じさせずに会う方向へ誘導することです。
「宗教っぽいのじゃないから安心して」といった言葉を添えて、相手の警戒心を取り除こうとするパターンも存在します。
一見、自己啓発やキャリア相談のように思わせる構成ですが、実際にはネットワークビジネスの「説明会」や「勧誘面談」であることが大半です。
この手口には特に注意が必要です。
決まり文句③:「自由な働き方に興味ない?副業とか考えてる?」
最近では「副業ブーム」を背景に、「時間に縛られない働き方」や「在宅でできる仕事」に関連づけた勧誘が増加しています。
このタイプの決まり文句では、「もう会社員には戻れないくらい自由になったよ」や「お金の不安がなくなった」といった自己体験を交えたメッセージが送られてきます。
また、「会社に依存しない生き方を学べるコミュニティがあるんだけど、良かったら紹介しようか?」といった形で、MLMに誘導されるケースも非常に多いです。
一見するとビジネス勉強会や起業支援のような言い回しですが、最終的には商品購入や会員登録が求められることがほとんどです。
「稼げる話」には常に冷静な目を持ちましょう。
ネットワークビジネスのLINE勧誘に共通する特徴3選
LINEを使ったネットワークビジネスの勧誘には、いくつかの共通したパターンがあります。
メッセージの言い回しや会話の流れ、人間心理へのアプローチなど、表面上は違って見えても、その設計には似通った特徴が多く見られます。
ここでは、LINE勧誘によく見られる典型的な特徴を整理し、なぜ多くの人が巻き込まれてしまうのかを明らかにしていきます。
共通する特徴①:相手の悩みや不安を丁寧に引き出してくる
ネットワークビジネスの勧誘は、いきなり商品やビジネスの話をしてくることはほとんどありません。
まずは相手の現状や悩みをヒアリングすることから始めるのが特徴です。
「今の仕事、満足してる?」
「将来のこととか、不安感じることない?」
このような質問を繰り返し、相手の心の隙間に寄り添うように入り込んできます。
これは、ネットワークビジネスの基本的なマニュアルに基づいたテクニックであり、相手のニーズを引き出した上で「実は、そんな悩みを解決できる方法がある」と話を持ちかける流れが王道です。
つまり、親身に見える会話の裏には、巧妙に設計された誘導が潜んでいるのです。
共通する特徴②:ポジティブな言葉と成功イメージで包み込む
勧誘のメッセージには、前向きで明るい表現が多く使われます。
「一緒に夢を叶えよう」「時間もお金も自由になる人生を」など、理想的な未来をイメージさせる言葉が並ぶのが典型的です。
このような言葉には、人間の変わりたい欲を刺激する力があります。
特に、現状に不満や不安を抱えている人にとっては、その甘い言葉に心が惹かれてしまうこともあるでしょう。
しかし、冷静に考えてみれば、誰でも簡単に成功できるビジネスが世の中にあるはずがありません。
あえて現実的な話をせず、理想や抽象的なビジョンばかり語るのは、リスクや実態をぼかすための戦略でもあります。
共通する特徴③:絶対に「ネットワークビジネス」とは名乗らない
LINE勧誘において、勧誘者が最初から「ネットワークビジネスです」と言うことは、まずありません。
むしろ、「ビジネスとかじゃないよ」「勧誘じゃないから安心して」と言ってくることの方が多いのです。
このような言葉で警戒心を解きながら、徐々に本題に近づけていくのが基本的な流れです。
中には、「紹介したい人がいて」「学びのコミュニティがあるんだけど」など、抽象的な表現だけで話を進めてくるケースもあります。
相手が明確な説明を避ける、もしくは具体的なビジネス名や商品名を伏せ続けるようなら、それはかなりの確率でネットワークビジネスの可能性が高いといえるでしょう。
ネットワークビジネスのLINE勧誘を受けた時の断り方と巻き込まれないための対策3選
ネットワークビジネスの勧誘をLINEで受けたとき、「どう断ればいいのか分からない」「無視するのも気まずい」と感じる人は少なくありません。
しかし、対応を曖昧にしてしまうと、勧誘が長引いたり、さらなる接触を招いてしまう可能性もあります。
ここでは、勧誘を受けたときの具体的な断り方と、そもそも巻き込まれないための予防策について、実践的に解説します。
対策①:あいまいな返事をせず、きっぱりと断るのが最善
ネットワークビジネスのLINE勧誘に対して最も有効なのは、「曖昧な返事を避け、はっきりと断ること」です。
たとえば、「ちょっと考えてみるね」や「時間があったら行けるかも」といった返答は、相手にまだ見込みがあると思わせてしまい、勧誘が続く原因になります。
効果的な断り方としては、「その手の話には興味がないので、ごめんなさい」「時間が取れないし、関わるつもりもありません」といった、明確かつ一貫性のある拒否の意思表示が重要です。
なお、相手がしつこい場合には「これ以上連絡されると困ります」と伝えるのも手段の一つです。
やり取りの記録は念のため残しておくと安心です。
対策②:LINEの通知設定や友だち管理で先手を打つ
LINEの設定次第で、勧誘リスクをある程度軽減することができます。
たとえば、LINEの「友だち追加許可」をオフにすることで、見知らぬ人からの追加を防ぐことができます。
また、長期間連絡のない知人や「以前イベントで少し話しただけの相手」など、微妙な関係性の相手をブロック・非表示にしておくのも有効です。
グループに無断で追加された場合は即退出し、可能であれば「グループ追加の許可」設定もオフにしておくと良いでしょう。
日常的なリスク管理が、トラブルを未然に防ぐ大きな一歩となります。
対策③:「なんとなく怪しい」と感じたらすぐに調べる
LINEで勧誘された際に少しでも「怪しいな」と感じたら、その話や人物、団体名をすぐにネットで検索する習慣を持ちましょう。
実際、ネットワークビジネスに関する情報はネット上に多数あり、「同じ誘いを受けた」「その言い回し見たことある」といった体験談も多く出ています。
また、「MLM」「マルチ商法」「情報商材」などのキーワードと組み合わせて検索すると、より正確な判断材料が得られます。
誰かに相談するのも非常に効果的です。
特にLINEの場合、相手とのやり取りが閉じた世界で行われやすいため、外の意見を取り入れることが判断ミスを防ぐポイントとなります。
まとめ:ネットワークビジネスのLINE勧誘は断ってOK!
LINEは手軽で親しみやすい反面、ネットワークビジネスの勧誘に悪用されやすいツールです。
よくある「久しぶり」といった誘い文句から、自然な流れでビジネスの話に誘導されることも。
違和感を覚えたら曖昧にせず、きっぱり断る勇気が大切です。
LINEの設定を見直す、話の内容を検索するなど、日常的な情報リテラシーも自衛手段になります。
なお、すべてのネットワークビジネスが悪質なわけではなく、勧誘や顔出しを必要としない新しいスタイルも存在します。
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