ネットワークビジネスは、近年ますます注目を集める販売形態のひとつです。
日本国内だけでも1000社を超えると言われるその実態に、驚く人も多いでしょう。
この記事では、ネットワークビジネスの仕組みや基本から、法的なルール、関わる人々の特徴までをわかりやすく解説します。
ネットワークビジネスとは？仕組みと基本の5つのポイントをわかりやすく解説
ネットワークビジネスとは、自ら商品を購入・販売しながら、他人を紹介してネットワークを拡大し、紹介者の売上の一部から報酬を得るビジネスモデルです。
これは「紹介型販売」や「口コミ販売」とも呼ばれ、主に化粧品や健康食品、日用品などが対象になります。
紹介が広がれば広がるほど報酬の可能性が増える仕組みが特徴であり、多くの人が副業や起業手段として興味を持っています。
ポイント①：ネットワークビジネスの基本的な仕組み
ネットワークビジネスの核となるのは、商品の販売と人の紹介です。
まず参加者自身が商品を購入し、使って良いと感じたら友人や知人に勧めます。
その相手が購入し、さらに紹介を続けていくことで、組織（ダウンライン）が構築されます。
紹介した人の売上の一部が報酬として上位の紹介者に還元されるのが特徴で、これを「コミッション（報酬）」と呼びます。
組織が広がれば、たとえ自分が直接販売していなくても、一定の報酬が得られる可能性があるため、「権利収入」に近いイメージで語られることもあります。
ポイント②：MLM（マルチレベルマーケティング）とネズミ講の違い
ネットワークビジネスは「MLM（マルチレベルマーケティング）」と呼ばれ、合法なビジネスモデルです。
一方で、似たように見える「ネズミ講」は違法とされています。
両者の最大の違いは、「実際の商品やサービスが存在するかどうか」です。
MLMでは、正規の商品があり、それを使って得られる満足度がビジネスの核となります。
しかしネズミ講では、商品が形だけで実質的には金銭のやり取りのみが目的となり、参加者が増え続けない限り成り立ちません。
そのため、法律上ネズミ講は禁止されており、参加や運営には重い罰則があります。
ポイント③：収益が生まれる流れと仕組み
ネットワークビジネスで収益を得るには、まず自分が商品を使い、効果や魅力を理解することが重要です。
そのうえで知人などに紹介し、相手が商品を購入したり、ビジネスに参加した場合に、報酬が発生します。
収益の大半は、紹介した人（ダウンライン）の売上や活動に応じて支払われる構造になっています。
また、多くのMLM企業では「ボーナス制度」や「ランク制度」があり、組織の規模や成果に応じてインセンティブが用意されています。
ただし、収益が安定するまでには時間と信頼の構築が不可欠であり、誰でもすぐに儲かるわけではありません。
ポイント④：法律で定められたルールと規制
日本では、ネットワークビジネスは「連鎖販売取引」として特定商取引法により規制されています。
この法律では、勧誘時に事業目的や収益モデルを明確に説明する義務や、誤解を招く表現の禁止が定められています。
また、契約後でも一定期間内であればクーリングオフが可能であり、消費者保護の観点が重視されています。
違反があった場合には、業務停止命令や罰則が科されることもあります。
そのため、ネットワークビジネスに参加する際は、信頼できる企業かどうか、法令遵守がなされているかをしっかり見極めることが大切です。
ポイント⑤：どんな人がネットワークビジネスに参加しているのか
ネットワークビジネスに参加する人の背景はさまざまです。
副業を探している会社員、育児や介護の合間に収入を得たい主婦、自分の夢やライフスタイルを追い求める若者などが多く見られます。
また、商品のファンから自然に販売者になるケースもあり、「売るために始めた」というより「使ってよかったから人に紹介したい」といった動機が強い人もいます。
ただし、うまくいっている人の多くは、誠実な人間関係を築けるコミュニケーション力や継続的な努力を重ねているという共通点があります。
「簡単に稼げる」といった幻想を抱かず、地道に取り組む姿勢が成功のカギと言えるでしょう。
ネットワークビジネスは日本に何社ある？最新データを5つのポイントで解説
ネットワークビジネスに興味を持ったとき、まず気になるのが「実際に日本にはどれくらいの企業があるのか？」という点ではないでしょうか。
一部では「1000社以上存在する」とも言われますが、その数字の背景には、実際に活動している企業と、名前だけが残っている休眠企業の存在があります。
ここからは、経済産業省の関連調査や業界メディアによる最新のデータをもとに、ネットワークビジネス企業数の推移、実働企業と登録企業の差、海外企業の参入状況など、現場のリアルをわかりやすく紹介していきます。
どこまでが「生きた企業」なのかを正しく理解することは、ネットワークビジネスを見極めるうえでとても重要です。
まずは日本における企業数の推移から見ていきましょう。
ポイント①：企業数の推移から見る業界の変化
2023年10月〜2024年9月の決算期を対象とした業界ランキングでは、116社が集計対象となっており、業界全体では前年から3.0%の売上減少が確認されています。
これにより、企業数もやや縮小傾向がみられますが、具体的には100社台の規模で推移していると言えそうです。
ポイント②：経済産業省の関連調査が示す市場規模
経済産業省の電子商取引に関する調査では、EC市場全体の動向が明らかになっています。
例えば、BtoC-EC市場は2023年に24.8兆円、前年に比べて9.2%増加しています。
また、企業間取引（BtoB-EC）は465.2兆円と、前年比で10.7%増加しています。
ネットワークビジネス特有の数値ではありませんが、業界の周辺環境として把握しておくと参考になります。
ポイント③：登録企業と実際に稼働している企業の差
表上的には100社を超える企業が存在するとされていても、そのすべてが実際に活発に活動しているわけではありません。
売上データや業績動向で見る限り、相当数の企業は休眠状態、または活動が低調であり、実質的に稼働している企業は100社前後という見方が一般的です。
ポイント④：海外企業の参入が業界に与えた影響
海外発のネットワークビジネス企業も日本市場には一定数存在しており、かつてはモデーアジャパンのようなブランドが存在していましたが、2025年4月に同社は事業を終了しています。
このように海外企業の参入も一過性であり、業界全体の増減要因の一つとなっています。
ポイント⑤：地域別（都道府県別）に見る分布傾向
残念ながら、都道府県別にネットワークビジネス企業数をまとめた信頼性の高い統計データは現在見つかっていません。
実態把握には、業界誌や各企業の公開資料、地域ごとの商工会議所の情報などをあわせて調べる必要があります。
このように、ネットワークビジネスの企業数は「1000社以上」と伝えられることもありますが、実際に活動実態のある企業は100社台にとどまると見られています。
売上動向や参入・撤退動向にも注目し、一面的な数字ではなく「動いている企業の実態」に注目する視点が重要です。
その上で次は、業界構造や注目企業の特徴にも踏み込んでいきましょう。
ネットワークビジネスの会社数が日本に多い理由とは？背景にある5つの要因
ネットワークビジネスの会社数が1000社を超えると言われる背景には、いくつかの共通した要因があります。
その多くは、参入のしやすさや人を介した広がりやすさ、そして現代の働き方の変化と密接に関係しています。
ここでは、ネットワークビジネス企業が増加しやすい理由を5つの視点から詳しく掘り下げていきましょう。
理由①：初期投資が比較的少なく始めやすいビジネスモデルだから
ネットワークビジネスの魅力の一つは、他の事業に比べて初期投資が少なくて済む点です。
一般的な起業では、事務所の確保、在庫の仕入れ、人件費など多くの資金が必要ですが、ネットワークビジネスでは、会社が提供する商品やツールを活用できるため、個人の負担が軽減されます。
また、企業側もフランチャイズのような仕組みで展開することが多く、リスクを抑えながら市場に参入できます。
この手軽さが、企業数の多さに直結しているのです。
理由②：個人の紹介による拡大で短期間に広まりやすいから
ネットワークビジネスの特徴は、人から人へと紹介が連鎖する仕組みにあります。
口コミを中心に広がるため、広告費をかけずに短期間で一気に拡散することが可能です。
このスピード感のある拡大力は、企業にとって大きな魅力となり、結果として多くの会社が同じモデルで市場に参入する動機となっています。
実際、SNSやブログなどの個人メディアを活用することで、爆発的な広がりを見せるケースも珍しくありません。
理由③：景気に左右されず副業需要が高まっているから
近年、景気の先行きが不透明になる中で、副業を求める人が急増しています。
特に本業の収入に不安を感じている人や、将来への備えとして複数の収入源を持ちたいと考える人にとって、ネットワークビジネスは魅力的な選択肢となっています。
景気に左右されにくく、努力次第で収入アップが見込める点も評価されており、企業側もこのニーズに応えるかたちで続々と参入しているのが現状です。
理由④：在宅ワーク需要の高まりが後押ししているから
コロナ禍を経て在宅ワークが一般化したことで、ネットワークビジネスとの親和性が高まっています。
自宅でできる仕事、時間や場所に縛られない働き方を求める人にとって、ネットワークビジネスは理想的な選択肢のひとつです。
Zoomなどのオンラインツールの普及により、対面での勧誘や説明が難しい状況でも、効率的にビジネスを広げることが可能となりました。
このような社会環境の変化が、ネットワークビジネス企業の増加を後押ししています。
理由⑤：既存会員の再チャレンジによる再登録企業も多いから
一度ネットワークビジネスに関わった人が、別の会社で再チャレンジするケースも少なくありません。
そうした経験者が新たに企業を立ち上げたり、既存企業の支部やグループを新ブランドとして独立させることが、会社数の増加に繋がっています。
また、他社で得たノウハウを活かして自らの理想とするビジネスモデルを構築するために起業する例も見られます。
このような再参入が活発な点も、業界のダイナミズムのひとつと言えるでしょう。
大手から中小まで！日本で有名なネットワークビジネス企業5選
ネットワークビジネス業界には、長年の実績を誇る老舗企業から、近年注目を集めている中堅・新興企業まで、さまざまな企業が存在します。
ここでは、日本国内で特に知名度が高く、影響力のある5社を厳選して紹介します。
それぞれの企業がどのような特徴を持ち、どんな商品や強みを展開しているのかを見ていきましょう。
日本の企業①：「アムウェイ」ネットワークビジネスの象徴的存在
アムウェイは1979年に日本に上陸し、ネットワークビジネスを世に広めたパイオニア的存在です。
健康食品、日用品、浄水器や空気清浄機など、多岐にわたる高品質な商品を展開しています。
特に「ニュートリライト」シリーズは長年のロングセラー。
厳格な品質管理体制や販売ルールを持ち、長期的に活動する会員も多く、安定感のあるビジネスモデルが評価されています。
日本の企業②：「ニュースキンジャパン」美容と健康に特化したグローバル企業
ニュースキンは、アメリカ発の企業で1993年に日本市場へ進出。
エイジングケアを中心としたスキンケア製品や、栄養補助食品「ライフパック」などで知られています。
科学的根拠に基づいた商品開発が特徴で、美容機器とのセット販売も人気です。
SNSやオンラインでのプロモーションにも強く、若年層にも支持が広がっています。
日本の企業③：「フォーデイズ」核酸ドリンクで注目の国内企業
フォーデイズは日本発の企業で、主力商品は核酸ドリンク「ナチュラル DN コラーゲン」。
美容と健康を意識した中高年層を中心に支持を集めています。
2017年には行政処分を受けたものの、その後はコンプライアンスを強化し、現在は健全な企業運営に注力しています。
定期的なイベントや丁寧なサポート体制が、会員の定着を後押ししています。
日本の企業④：「モデーアジャパン（旧ニューウェイズ）」安全志向の商品で差別化
モデーアはアメリカ発のブランドで、かつては「ニューウェイズ」として展開していました。
環境や健康に配慮した「クリーンラベル」商品が特徴で、シャンプーやサプリメント、洗剤などを扱っています。
2025年に日本事業からは撤退したものの、その哲学やブランドコンセプトは一部のファンに根強く残っています。
海外発ブランドの代表例として、業界の流れを知る上でも外せない存在です。
日本の企業①：「三基商事（ミキプルーン）」自然志向の健康食品で長年の信頼
三基商事は1966年創業の老舗企業で、「ミキプルーン」で知られる健康食品メーカーです。
自然素材を活かした商品と誠実な販売姿勢が特徴で、長年にわたって業界上位を維持しています。
会員教育や研修体制もしっかりしており、安定したビジネス展開が可能な企業のひとつです。
地方在住の高齢層を中心に、根強いファンを持っています。
実際に活動しているネットワークビジネス企業は何社？登録だけの休眠企業の5つの実態
ネットワークビジネス企業は「1000社以上存在する」とよく言われますが、そのすべてが現在も実際に活動しているわけではありません。
中には、登記されたまま事業実態のない「休眠企業」も多く含まれています。
ここでは、そうした休眠企業の背景や実態、さらに実際に動いている企業を見極めるためのポイントを解説します。
実態①：8割以上が実際には活動していない
ネットワークビジネス業界では、法人登記はしているものの、実際には商品の流通や会員活動が行われていない「休眠企業」が少なくありません。
経済産業省や業界関係者の話によれば、1000社以上あるとされるネットワークビジネス企業のうち、実際に活動しているのは約100〜150社程度とも言われています。
つまり、全体の8割以上が何らかの理由で活動を停止している、またはそもそも本格的に稼働していないということになります。
これが、ネットワークビジネス業界の企業数が多く見える原因の一つです。
実態②：多くの企業が短期間で事業を停止している
ネットワークビジネス企業が短命で終わることが多い背景には、いくつかの共通した理由があります。
まず、競争が非常に激しい業界であること。
同様の商品やビジネスモデルが多く、差別化が難しいため、集客やリーダー育成に失敗するとすぐに収益が落ち込みます。
また、最初から利益重視で誇大な広告や強引な勧誘を行い、行政指導を受けて信頼を失うケースも少なくありません。
こうした失敗の積み重ねにより、わずか数年で市場から姿を消す企業が後を絶たないのです。
実態③：登記上は存在していても中身が空の企業が多数
法人登記された企業は、活動を停止してもすぐに登録が抹消されるとは限りません。
むしろ、休眠状態でも登記が継続されている企業が多いため、数字上は「存在している企業」としてカウントされてしまいます。
実際には営業をしていないのに、「1000社以上」という統計が出てくる背景には、こうした休眠状態の企業が多く含まれているのです。
このため、ネットワークビジネスに関する数字を見る際は、その内訳にも注意を払うことが重要です。
実態④：個人レベルの小規模運営が意外と多い
ネットワークビジネスの中には、従業員数名〜十数名ほどで運営されている非常に小規模な企業も多数存在します。
中には、実質的に個人事業とほぼ変わらない体制で運営されているケースもあります。
こうしたスモールビジネス型の企業は、地域密着で会員と密接な関係を築いていたり、特定ジャンルの商品に特化していたりと、独自性を持つ一方、資金力や法務体制に不安があることも少なくありません。
そのため、参加を検討する際は企業の規模だけでなく、経営の安定性や代表者の信頼性も見極める必要があります。
実態⑤：見極めが必要！信頼できる企業の判断基準
ネットワークビジネスに関わるうえで、信頼できる企業かどうかを見極めることは非常に重要です。
まず注目すべきは、公式サイトや広報資料で「売上高」「設立年」「会員数」「海外展開の有無」などの実績を明示しているかどうかです。
また、過去に行政処分を受けていないか、勧誘や教育システムに透明性があるかも大切なチェックポイントです。
さらに、商品そのものの質や満足度も重視されるべきで、単なる報酬モデルに偏った企業は避けるのが賢明です。
実際に活動している企業は、顧客の声や口コミ、イベントの開催状況などからも判断することができます。
ネットワークビジネスは日本に何社ある？についてまとめ
日本におけるネットワークビジネスの企業数は、表向きには1000社を超えるとされていますが、実際に活動している企業はその一部にすぎません。
多くの企業が短期間で事業を停止し、登記だけが残る「休眠状態」になるケースも珍しくなく、実動企業数はおよそ100～150社前後と見られています。
とはいえ、ネットワークビジネスが今なお多くの人に選ばれているのは、紹介制度による収益モデルや少ない初期投資、在宅での活動が可能といった柔軟性の高さがあるからです。
大手の老舗企業をはじめ、国内外の多様な企業がさまざまな商品やサービスで参入しており、業界自体は常に進化を続けています。
ただし、すべてのネットワークビジネスが信頼できるとは限らないため、企業の実績や商品力、法令順守の姿勢などをしっかり見極めたうえで判断することが大切です。
そして近年では、ネットワークビジネスとは異なる選択肢として、「継続型WEBビジネス」にも注目が集まっています。
人間関係や勧誘に頼らず、仕組みと自動化で収益を生み出すスタイルは、時代の変化に合った新たな働き方として、多くの支持を集めています。
もし、「ネットワークビジネスはちょっと自分に合わないかも…」と感じた方や、別の道も検討してみたい方は、継続型WEBシステムの可能性についてもぜひチェックしてみてください。
気になる方は、以下の情報を参考にしてみてくださいね。
